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潮の満ち引きを利用した周防灘に面する強固な海水要塞
九州平定の功績によって豊前国六郡を与えられた黒田官兵衛は、山国川の河口部に位置し、周防灘に直接面する地を新たな居城として選定した。中津城の防衛における最大の特筆事項は、堀の水源に川の淡水ではなく「海水」を大々的に引き込んでいる点である。潮の満ち引きによって堀の水位が変動する仕組みを利用し、満潮時には堀が深く広がり敵の侵入を物理的に拒み、海からの物資輸送船が直接城内へ乗り入れることが可能となるよう計算されていた。高松城(香川県)や今治城(愛媛県)と並んで「日本三大水城」の一つに数えられるこの構造は、優れた軍事眼と経済的合理性を併せ持つ官兵衛の築城術の到達点を示している。



Photo: Asturio Cantabrio / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0