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海岸段丘をコの字型に区切る独特の土木構造
アイヌ語で「柵囲い」を意味するチャシは、北海道全域で約五百ヶ所以上が確認されているが、そのうちの二十四ヶ所が根室半島に集中して国指定史跡となっている。代表的な「ヲンネモトチャシ」などの構造を見ると、海に突き出した海岸段丘の崖を背後にし、陸地側をU字型(またはコの字型)に深い壕(空堀)と土塁で区切るという「面崖式(めんがいしき)」と呼ばれる縄張りが多く採用されている。堀の深さは数メートルに及ぶものもあり、堀の内側に丸太の柵を立て巡らせて外敵の侵入を防いだ。アイヌ民族は文字を持たなかったため築造時の設計図等は存在しないが、自然の地形を巧みに利用し、最小限の土木作業で最大限の防衛効果を発揮する合理的な要塞構築技術を確立していたことが遺構から証明されている。



