
01
宣教師ルイス・フロイスが感嘆した豪壮華麗な水城の全貌
元亀二年(一五七一年)の比叡山焼き討ちの後、織田信長から近江国滋賀郡を与えられた明智光秀は、水陸交通の要衝である坂本の地に新たな城を築いた。坂本城の最大の特徴は、琵琶湖の湖水を取り入れた水堀を持ち、城内から直接船で出撃できる構造を備えた水城(海城)であったことである。大小二つの天守(またはそれに類する高層建築)がそびえ立ち、宣教師のルイス・フロイスはその著書『日本史』の中で「安土城に次いで日本で最も豪壮で華麗な城である」と手放しで絶賛している。京都への物資輸送を完全に掌握し、延暦寺の動向を監視するための軍事的・経済的な最重要拠点として、光秀の類まれな築城手腕が発揮された建造物であった。



