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新選組の「裏仕事」を請け負う凄腕スパイ
斎藤一は、ただ剣が強いだけの男ではありませんでした。彼の最大の武器は「スパイ適性の高さ」です。新選組から分離して敵対組織を作った伊東甲子太郎(御陵衛士)のグループに、「新選組と揉めたのでこちらに入れてほしい」と嘘をついて潜入。相手の信用を完璧に勝ち取り、機密情報をこっそり新選組へ持ち帰るという極秘ミッションを見事に成功させています。暗殺やスパイ活動など、新選組の「汚れ仕事」を誰よりも冷徹にこなすプロフェッショナルでした。


さいとうはじめ
斎藤一
「新選組」で沖田総司に並ぶ最強の剣客として恐れられた三番隊組長・斎藤一(さいとう はじめ)。新選組の幹部の多くが幕末の動乱で命を落とす中、彼はしぶとく生き残り、なんと明治時代には「警察官」として活躍しました。任務のために何度も名前を変え、最後までサムライの魂を貫いた男の、泥臭くもかっこいい3つのエピソードをお届けします。
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斎藤一は、ただ剣が強いだけの男ではありませんでした。彼の最大の武器は「スパイ適性の高さ」です。新選組から分離して敵対組織を作った伊東甲子太郎(御陵衛士)のグループに、「新選組と揉めたのでこちらに入れてほしい」と嘘をついて潜入。相手の信用を完璧に勝ち取り、機密情報をこっそり新選組へ持ち帰るという極秘ミッションを見事に成功させています。暗殺やスパイ活動など、新選組の「汚れ仕事」を誰よりも冷徹にこなすプロフェッショナルでした。

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戊辰戦争で旧幕府軍が敗北し、新選組が壊滅した後も斎藤は生き残りました。名前を「藤田五郎(ふじた ごろう)」と変えた彼は、なんと明治政府の「警視庁(警察官)」に就職します。そして1877年の西南戦争では、かつての宿敵・西郷隆盛の軍勢と戦うため、「抜刀隊(日本刀を持って突撃する警察の斬り込み隊)」に志願して大活躍。「幕末にボコボコにされた薩摩へのリベンジ戦」とも言えるこの戦いで、彼は銃弾が飛び交う中を刀一本で駆け抜け、政府軍を勝利に導きました。

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明治の世が平和になっても、斎藤の中の「サムライ」は消えませんでした。晩年、東京の大学で警備員として働いていた彼は、常に隙のない姿勢を保ち、家の中でも「絶対に敷居(ふすまのレール部分)を踏んではいけない」「常に正座で背筋を伸ばせ」と子供たちに厳しく指導する雷おやじでした。1915年、胃潰瘍で死期を悟った72歳の斎藤は、ベッドで寝ることを拒否し、床の間に端座(きちんとした正座)をして、そのまま真っ直ぐに座った姿で息を引き取ったと伝えられています。

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